未使用車を探す方法 未使用車の裏事情を、元ディーラー内部者が丁寧にご説明します

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未使用車を探す方法

かつて大手自動車ディーラーの本社 中古車部門に勤めていました。未使用車とは何たるかを熟知しています。

 20年位前の話ですが、自動車業界の仕組みは、基本的にそれ程変わりはないと思います。私は東京都港区の国道沿い、とある自動車ディーラーの本社、中古車マイカーセンターを取り仕切る本部に4年ほど在籍していました。各現場からの数字を集計したり、資料を作ったり、当時は本社で中古車の書類を全て管理していましたので、その書類を受け付けたり、発行したりする仕事もしていました。現在書類は現場で管理しているようですが、私のいた頃は全てを本社で管理していました。

課長が何やらリストを見て唸っている

 私がいた20年前から、もう既にこの種類の車は存在していました。一年に何度か話があり、課長が車両業務部という新車の部門からリストをもらってきます。そのリストには、今現在販売されている車の型式、色記号、メーカーオプションを表す記号が、何やらずらずらと並んでいます。課長は型式と色記号やメーカーオプションの記号などを見ながら、新車で買えばこの価格、という新車価格を計算し、更にそこから、中古車の展示場ではいくらで販売すればいいのか、会社としての販売指示価格をリスト上で指示します。そして、割り当てになるマイカーセンターに、割り当てになる車の登録用の車庫証明取得を依頼します。業務の女の子は台数分の車庫証明取得費用を経理から払い出し、車庫証明の用紙に社長のハンコを押して、マイカーセンターに送付します。現場では大量の車庫証明を管轄警察に、商品車として提出し、取得。本社に送り返します。本社では、返送された車庫証明に基づいて、当社名義で登録し、ナンバープレートを取得、これを販売予定のマイカーセンターに送り返します。課長はこのタイミングに合わせて、車をマイカーセンターへ回送します。こうしてようやく、ナンバープレートだけがついた新車が、中古車のマイカーセンター展示場に展示されるわけです。私のいた頃には新古車という呼び方もありましたが、今はこの呼び方は誤解が生じるために禁止されており、未使用車で統一されています。

どうしてこんなことをするのか?

 わかりやすく簡単に言うなら、在庫整理です。あなたが車を買おうとしている自動車ディーラーは、売れ行きを見込んでメーカーからある程度の数の新車を仕入れます。モータープールと呼ばれる場所に、これらの車は在庫車としてストックされ、営業マンの持つ端末に、在庫車、即納車として反映されます。こうすることで、営業の現場では、お客様に納期の説明がしやすくなったり、また、長期在庫であれば少し値引きを増やしたりと、幅のある営業活動ができるようになります。モータープールの在庫車は、注文が入り回送の依頼が送信されると、清掃された上で、注文を受けた営業所に回送されて行きます。新車の場合、車種によっては小さな不具合を修正するために改良が行われる事があります。皆様もご存じの通り、新車は常にモデルチェンジを繰り返して成熟して行きますので、このような理由から、どうしても、新車は仕入れても古くなってしまう車が出てきてしまいます。また、長期在庫時に破格の値引きで売り出したとしても、全てが売れるわけではありません。

メーカーと、ディーラーとの関係

 大きな自動車ディーラーであれば、メーカーに「何台売ります」という数字を約束し、それによってインセンティブを受けている場合が殆どです。いろいろな形態がありますが、実績は大いにこしたことはありません。中間決算時や、自動車業界のお祭りとも言われる、自動車税の絡んだ決算時、このような理由もあって、在庫を整理する必要が出てくるのです。在庫している車の一部は、先ほどもお話したような手続きを経て、未使用車となり、新車のモータープールから移動、新車営業の在庫から外れて行きます。

軽自動車が多い理由

 未使用車という言葉がマーケットでも浸透し、注目されるようになったのは、つい最近の事です。それまでは、先ほども申し上げたような、新古車と呼ばれることも多くありました。実際に私の時代は、この種類の在庫に対するマーケットが成熟していなかったせいもありましたが、堂々と「新古車」という言葉を使って、この種類の車を販売していました。私は現場にも営業としていましたが、「新古車」はお得感が訴求しやすく、かなり売れたのを思い出します。しかし、新車と区別がつかないこの言葉は紛らわしいとして、「新古車」という表現は、自動車公正取引協議会という組織から、その使用を禁止されることになりました。個人的な見解ですが、この通達が出たことで、マーケットの中で「未使用車」が認知され、注目を浴び始めたのだと思います。さらに追い打ちをかけるように、マーケットは変化していきます。バブルの崩壊、非正規雇用増による世帯収入減、尻すぼみの人口減少、若者の車離れに加え、性能が良く維持費の安い軽自動車が台頭してきたことにより、軽自動車の人気が上がり、更に冒頭にお話したような、車庫証明が絡む煩わしい登録手続きが、軽自動車では必要のない事も手伝って(都市部では必要な場合もあります)、今現在は、軽自動車の未使用車が多くなり、この流れが更に加速し、未使用車を専門的に扱う「未使用車専門店」の看板を掲げる販売店も出てくるようになりました。

未使用車のメリット

 未使用車は、今までお話してきたような経緯で発生した車です。状態としては、新車にナンバープレートが付いただけの車です。営業的には「新車と同じです」と言いたい所ですが、新車はナンバーが付いている時点で新車ではありませんので、「新車ではない」のです。それなら「新車にナンバーを付けただけの車」と説明したいのですが、この表現が業界通令上アウトとされていますので、状態をややこしくしているのですね。業界に怒られないように正式に言うなら、「新車をモータープールから持ってきて、ナンバープレートを付けただけの車」とでも言えばいいのでしょうか。この状況を理解して頂くために、冒頭の部分で実際の会社内の様子をご説明してみました。メリットはいろいろあります。貴方が展示場で出会った未使用車が、あなたのニーズに合っているなら、「即決買い」をお勧めします。新車ならいつでも新しい車を買えますが、中古車展示場に並んでいる、中古車である「未使用車」は、これ一台きりです。あなたがその場を去り、翌日展示場に行ったとしても、同じ車が買える保証はありません。一つ例を挙げましょう。とても可愛そうなお話です。私が中古車マイカーセンターで中古車販売の営業をしていた展示場は、カローラさんと一緒の展示場でした。私がGX71-XTPQEというマークⅡ「ただグラ後期」を買った年ですので、昭和62年だったと思いますが、カローラさんにAE86レビン「ただ」GTのシルバー、当時で言う「新古車」がありました。エアコンもステレオもパワーウィンドもない車体です。もう既に生産が中止となっており、新車はどこへ行っても手に入れることができない状況にありました。とあるお客さんがこの車を見て、とても気に入り、「返事は明日します」と言って帰りました。カローラさんでは原則的に商談中、取り置きにはしないらしく、その夜もハチロクのただGTは展示場に展示されていました。詳しい値段は覚えていませんが、当時はもちろんそれほど驚く価格ではありませんでした。翌日の朝一番で、そのハチロクただGT君は他のお客さんに即決で売れてしまいました。そして後から昨日のお客さんが来たわけですが、買う気満々だったにも関わらず、買うことができなかったのです。ハチロクはこの後92にモデルチェンジされてしまい、かつてのKP61スターレットではありませんが、最後の最強FRと言われていて、私もそれなりの希少価値を感じていました。買いに来たお客さんはカローラの営業に、「どうにもなりませんか?」「買えませんか?」「もうFRはないんですか?」を繰り返し、最後に泣き崩れてしまったのです。私はお客さんが車を買えずに泣き崩れるのを見たのは、これが最初で最後です。この例は大げさにしても、新車ではなく中古車ですので、同じ車は一台もないという意識で、検討した方がいいと思います。具体的な販売価格面のメリットとして、軽自動車なら自動車税は必要ありません。ナンバーを付ける際に必要な、自動車重量税も必要ありません。価格に関しては、おそらく販売側でも用意している所が多いと思いますが、「この車を仮に新車で買ったら総額ではいくらですか?」という価格と、見積もりで出てきた支払総額とを比べてみると、どの位得するのかが具体的な数字でわかります。また、新車は注文すると、在庫車でなければそれなりに納期がかかりますが、未使用車はここに車がありますので、あなたの書類がそろえば、即、登録することができます。季節に間に合うように車を買い換えたいと思っている方には、絶好の車です。

デメリット

 デメリットもあります。今までお話してきた中で、未使用車はかなりお得だというイメージをお持ちになった方も多いのではないでしょうか。私が実際に販売していて時々感じたことは、「それ程安くない場合がある」というイメージです。先ほどのハチロクただGTの話のような、絶版となってしまう車の場合は別ですが、新車で今現在も販売されている車の場合は、新車で粘りに粘って値引きを交渉した人の方が、結果的には安く買えてしまう、というありえない状況も、実際には発生していました。一番始めに「課長のリスト」の話の中でご紹介したように、ディーラー系の中古車展示場で、未使用車が卸されてすぐの場合、販売価格は相場などが加味されておらず、比較的高めに設定されています。中古車は経過月と共にその価値、価格が下がっていくものですので、オークションを経由したり、最近よく見かける、未使用車専門店などに渡っていく課程で、だんだんと価値を落としていきます。未使用車を検討する際には、登録月を確認し、その経過月と現在の販売価格、それに加えて、新車時の価格を調べて、差額はどれくらいなのか、この差額は、この未使用車に見合っているのかを調べて、比べてみるといいでしょう。

問題点

 未使用車を探し、お得に購入するにあたっては、このようにいろいろと調べて検討し、考えなければならない事があります。車好きの方なら時間を削ってでも無意識のうちに、何の苦もなく出来てしまうことですが、皆さん全てが車の専門家ではありませんよね。この問題点をどなたでも何なくクリアするお勧めの方法としては、自分が欲しいと思っている未使用車に関して、ある程度の希望を伝え、専門家に任せて、自分の希望の未使用車を探し出してもらい、きちんと説明してもらい、納得した上で判断を下す、という方法があります。専門店が一番詳しくて、在庫も豊富なのかもしれませんが、同じように取り組んでいるお店として、中古車業界でも歴史と信頼のガリバーがあります。こちらのサイトを利用することで、ガリバーの常時2000台とも言われる「未使用車の」在庫の中から、あなたの要望に合った未使用車の在庫を探し出し、実際に紹介してもらうことができます。また、できるなら同時に、提示された車の新車の価格も調べてみましょう。新車の見積もりを簡単に取得できるサイトもご紹介しますので、未使用車のメリットが感じられない場合は、新車を目一杯値引きしてもらうとどうなるのかを考えてみてもいいでしょう。ちなみに、未使用車は殆どの場合、店頭表示価格からの値引きはないのが、中古車としての商習慣となっています。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。あなた様が、どうか、満足の行く車をゲットできますよう、陰ながら応援させていただきます。

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