車を下取りに出す場合、掃除はどこまでやればいいのですか?

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下取り車の掃除はどの程度すればいいのか、そもそも査定をする時点での清掃はどの程度まで必要なのか

車を下取りに出す場合、掃除はどこまでやればいいのですか?

私は自動車ディーラーで長い間中古車販売に携わってきました。私の場合は中古車を販売した下取り車でしたので、孫取りと呼ばれていましたが、下取り車でももちろん同じです。自分自身の経験を元に、下取り車の掃除はどの程度すればいいのか、そもそも査定をする時点での清掃はどの程度まで必要なのかを、皆様にお伝えしたいと思います。ちょっと意外な結論かもしれませんが、私の場合はこれが現実でした。

車を下取りに。掃除しよう。皆様が抱いているであろう疑問

私が現役で働いていたのは、正確には携帯電話が出始めた頃までです。当時はIDOという通信会社があり、私が働いていた会社はIDOの代理店をしていました。インターネットなどはまだ普及しておらず、かろうじて営業所の事務所にはでっかいモニターを備えたコンピューターがあり、普通の電話回線を介して本部と繋がっていました。車を下取りに出すよりも、買取で他の販売店に買い取ってもらった方が高いみたいだ、という噂は出始めていたものの、実際に行動するとなると、電話をしたり、査定をしてもらったりと大仕事になってしまうので、下取りとして自動車ディーラーに出すのが一般的でした。商談がはじまり、見積もりの段階で、今乗っている車の下取り価格を提示することになります。私が所属していたのは中古車の部門でしたので、下取り、正確には孫取りとして入ってくる車の査定額に関しては、正直それほど神経質になってはいませんでした。車検証で年式を確認し、査定書を作成し、外装のチェックと、ボンネット内、トランクルーム、ドアを開けてシーラーやピラーの確認、スペアタイヤ、工具、ジャッキの有無、を確認する程度でした。一番のベースは、当時日本一のディーラーと評判だった〇〇トヨペットさん作成、黄色い表紙でおなじみの、「中古車査定基準価格表」でした。一番初めの上司は結構適当で、(こんなこと言っていいのかな…)、この査定基準価格表の価格をベースに、「いくらなら決まるんだ?」と私に聞いてきて、「〇〇万なら多分いけると思います」と答えると、「ん~、それでいけ!俺が売ってやるから」と、太っ腹な答えをくれたものでした。当時の私は成績優秀ではなかったので、上司も孫取り価格でフオローしてくれていました。と、長々とどうしてこんな事を書き続けたのかというと、この流れの中に、果たして「車を下取りに出す場合の掃除」が必要か否か、掃除をしたから高くなる、掃除をしなかったから叩かれる、という状況があるのかどうかの答えがあると思ったからです。あくまでも私の場合ですが、ぶっちゃけた話、掃除や洗車などは必要ありませんでした。仮にお客様が乗ってきた車がピカピカであろうが、薄汚れていようが、あくまでも「査定基準価格表」がベースとなりますので、その後は所属長の裁量にかかっていました。私に言わせるなら、査定の価格を上げるために洗車をし、ワックスをかけ、下周りを洗浄し、掃除機をかける、というのは無駄な行為です。これはあくまでも、インターネットのない時代の、ディーラー系中古車販売店の某売れない新人セールスマンの場合です。いろいろなサイトに、洗車をしましょう、ワックスをかけましょう、きれいにしましょう、査定に影響しますので、という記載を見かけますが、このように書いている人たちは現場を知らない人だと思います。実際に商談が始まると、販売する車の見積もり作成と、下取り車の価格算出などでとても忙しくなり、とにかく、車検証と自賠責を査定書に転記するのと、傷、凹みのチェック、事故歴がないかどうかの確認で精一杯になってしまいます。私の場合ですが、下取り車がピカピカバリバリであろうが、薄汚れていようが、下取り価格に影響はありませんでした。実際問題として、ディーラー系の査定の場合は、洗車がしてあるから加点する、洗車がされていないから減点する、という決まりはありません。そして私が思うに、「車を綺麗にしておいた方が査定価格にいい影響がある」というのは、あなたの車の査定をする側のエゴであって、その言葉の裏には、「再販がしやすい」という、査定側の理由があるのだと私は思っています。汚れている車を再販するには、クリーニングが必要ですが、綺麗であれば必要ありません。これはあくまでも、現場を実際に経験している私個人の意見です。綺麗事では決してありません。

実際に減点されたケース

でも、中には実際に、ディーラーの査定上で減点されるケースも実在します。かなり激しいケースです。一つ目は、ペットの犬の毛が車の中全てに張り付いており、犬特有の獣臭が車に染みつき、車に座った人に不快感を与えるようになっている場合です。毛の完全な除去はおそらく不可能だと思いますし、においも同様です。これは大きな減点がされて、入庫して来ました。もう一つは、塗装店が使っていたというハイエースバンです。荷台は材料の塗料が常時積まれていたようで、こぼれた塗料で荷台が汚れてしまっていました。これも価値原価によるマイナスという形で、大きな減点がされていました。このように、かなり激しい場合には価値原価による減点がされるケースがあります。

結論

 状況によって結論は違ってきます。あなたの車の状態によってもかなり違ってきますので、一概にこうした方がいい、という事は言い切れません。ただ、実情として、下取りに出した車は、様々なルートで、それこそ世界中に販売される可能性を秘めています。仮に輸出する場合なら外国人相手ですので、洗車や手入れなどの価値観が全く違う相手に渡ることになります。私が数多くの下取り車を見てきて思うことは、グローバルな視点から見て、日本人は車に対しての思い入れが強く、何もしなくても手入れが行き届いているということです。土埃の舞う現場に通い続けて、数か月洗車もしていないというレベルの汚れがあるなら、洗車した方がいいでしょう。通常の状態であれば、日本人としての常識的な状態であれば、そのままで構わないと思います。でも、どうしても気になるというようでしたら、自分の納得の行く範囲で、行えばいいと思います。

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