ダンプカーのフロントタイヤが走行中にパンク 重要な事は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
ダンプのフロントタイヤが走行中にパンク 重要な事は?

ダンプカーのフロントタイヤが走行中にパンク 重要な事は?

 走行している際にタイヤがパンクするなど、乗用車では殆どなくなりましたが、ダンプカーはその性格上、土の現場に出入りしたり、未舗装の採石場に入ったりしますので、乗用車に比べればパンクしてしまう可能性は高いと言えます。また、現場や積場に敷かれた敷き鉄板の角を、荷物満載で踏みつけてしまうと、パンクすることもあります。ダンプカーの形を想像してみて下さい。ダンプカーに限った事ではありませんが、多くのトラックではフロントタイヤがパンクしてしまった場合、即、走行不能という大変な状況に陥ります。今回私は、対向車で荷物を積んでいるダンプが、すれ違いざまにパンクするという、おそらく誰も経験したことのない状況に遭遇しました。一部始終をお伝えすると共に、運転手の方々には常に危機意識を持っていただければと思います。

状況

 パンクが発生したのは、交差点を少しだけ過ぎた辺りです。その交差点は山から下ってくる道が県道に合流する交差点で、少し鋭角になっています。山へ登る道は上りです。今回私は、山から下りてきて、信号待ちをしていました。信号から二台目でした。県道からダンプが来て、山へ登る道へ鋭角に左折しました。私は暑かったのとエアコンがあまり好きではないのとで、窓を全開にして走っています。すれ違うダンプと挨拶をしたと思った次の瞬間、もの凄い「パーン」という音と共に、対向車の右フロントタイヤがパンクしてしまいました。ミラーで確認すると、そのダンプはパンクしたタイヤでよろよろと坂を上って行くのが見えました。荷物を積んでいる実車でした。

取り換えは自分で

 ダンプの仕事は同じ道を一日に何回も通ります。次に通った時、そのダンプは近くの採砂場に入っていました。その次に通った時には仲間が一台、助けにきていました。何時間かかかりましたが、二人の運転手で汗だらけになりながら、タイヤ交換ができたようです。パンクは大変だったと思いますが、幸いにも二百メートル程先に、小さな採砂場がありました。そこは当日稼働はしておらず、敷き詰められた平らな鉄板の上で作業が出来たようです。

日頃からの意識が大切

 運行管理からは、スペアタイヤとジャッキを常に確認するように言われています。私も万が一の時に備えて、ジャッキは二丁積んでいます。ジャッキは時々動かしてやらないと、動かなくなりますので、定期的な点検が必要です。スペアタイヤも積んでいますが、実際に下ろして時々点検しなければなりません。スペアタイヤを外す棒がない、スペアタイヤが使い物にならない、ジャッキが動かない、ジャッキを動かす棒がない、などは言い訳であり、このような状況になってしまった時でも、冷静になり、パンクしたタイヤを外して、スペアタイヤに交換しなければなりません。これは運転手の義務です。運送会社の中には、乗務員の負担を減らすべく、タイヤは触らない、オイルも触らない、整備は全て外注、という会社もありますが、実際にトラックを走らせている以上、スペアタイヤとの交換位は出来なければなりません。今回のケースではもう一台、同じ会社のダンプが来て作業を手伝っていましたが、これはとても心強い状況です。トラックがトラブルを発症すると、特に慣れていない運転手は気が動転してしまいます。落ち着いて作業できるようになるためには、何度か故障の経験が必要です。とんでもない理論ですが、実際に私もそうです。大型車のタイヤはパンクしない、パンクしても業者にお願いすればいいんだ、と思っているなら大きな勘違いです。特にダンプカーや重量物を運搬する車は、普通のトラックに比べてパンクする可能性が高くなりますので、いつパンクしても対応できる位、気持ちに余裕が持てるようになりたいものです。

大切なこと

 もう一つ、とても重要な事があります。それは、タイヤがパンクした際に取り外しができるよう、「ナットは規定トルクで締めましょう」ということです。私たちはインパクトレンチでガリガリと増し締めしてしまいますが、規定トルクを守るなら、インパクトの「1」でなければ締めすぎになってしまいます。ナットをきつく締めたい気持ちはわからなくもないですが、パンク時に人の手で回らない程に締め付けてしまってはいけないのです。あくまでも規定トルクで、万が一の際には車載の工具でタイヤの取り外しができるよう、ナットを締めすぎない事と、毎日運航前に点検し、緩んでいるナットがあれば締めて出庫するという姿勢が重要です。点検はもちろんですが、緩んでいるナットを見つけたら締める、出庫前に面倒だとは思いますが、きちんと整備して運航を開始する事がとても大切です。また、前輪が完全にパンクしてしまうと、ジャッキが入らなくなってしまうケースもあります。そのような状況を見越して、比較的大きめの角材などを積んでおくといいでしょう。これは、タイヤに噛ませて、ジャッキを入れるための高さを稼ぐためのものです。パンクした場所によっては、ジャッキで上げようとしても、ジャッキが地面に食い込んでしまい、役に立たない場合もあります。このような時のために、硬い材質の角材などを準備しておくと安心です。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!