デモカー サンプルカー 試乗車などのナンバー付き車は損?

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デモカー サンプルカー 試乗車などのナンバー付き車は損をする?

自動車ディーラーならではの車が中古車に

 中古車市場をよく観察していると、「どうしてこれが中古車なの?」と思えるような車に時々出会います。ナンバーを付けただけの新車や、発売間もないモデルの車が中古車市場に出回ることは、最近では珍しくなくなりました。新車の購入を検討している方にとって、「実際に乗って確かめる」ことはとても大切な判断材料になると思います。そのために各ディーラーでは「試乗車」を用意して、皆様のお越しをお待ちしているわけですね。当然のことながら、その試乗車が試乗車として働く事ができるのは、そのモデルが新車で発売されている期間に限られます。新しいモデル、新型車が出てくれば、旧型車は試乗車としての役目を終えます。このあたりの処理はディーラーによっても違いがあるのかもしれませんが、私がいたディーラーでは、試乗車は中古車として第二の人生を歩むこととなっていました。具体的には、新車営業所に「試乗車」として存在していた車は、そのステッカーをはがされ、中古車のマイカーセンターに搬入となり、汚れなどをキレイにした後に中古車として再販、という道を辿りました。私は本社で中古車の登録業務をしていました。この試乗車の車検証は、所有者がレンタカー会社、使用者が当社となっています。リースが満了し、自社の所有する商品車になるということで、車検証を自社の完全名義に登録換えするのが、この時の私の仕事でした。一斉に引き揚げとなるので、現場からは「原価はいくらなんだ?」「書類はあるのか?」などなどの問い合わせが本部には集中していました。

得なのか?

 価格設定は、正直微妙です。私が20年以上前に勤めていた、日本で何番目かの規模のディーラーでのお話です。この時期、かなり大規模な異動やリストラが敢行され、私は突然沢山の仕事を任せられました。現場からの問い合わせに、現場上がりの私は現場主義で応対していたのですが、そうすると一日中電話応対になってしまい、仕事が進みません。残業も20時間以上は出ない事になり、頭に来たのですがどうにもならず、かといって私が仕事をしないと下取り車の入庫が完了しない、そのディーラーの新車の営業さんの給料がカットになる、下取り車の納車の段取りができなくなる、お客さまや営業の人に迷惑がかかってしまう、ということで、何日かは会社に泊まり込んで業務をこなしました。やがて、現場の人は私に電話をするのを禁止され、同僚の女の子が自分の仕事で精一杯なのに手伝ってくれたりして、何とかなりましたといいたいのですが、いつまで経っても何ともなりませんで、多摩の実家からは朝5時過ぎの2番電車に乗って毎日広大なオフィスのカギを開け、6時半位から仕事をするという、もう時効成立の今だから言っちゃいますけど、こんな状況で日本で何番目かの自動車ディーラーの中古車の書類が回っていた時期がありました。
 私の横で、課長が「ナンバー付きデモカー、試乗車」の「販売指示価格の設定」をしていました。その作業はかなり機械的なもので、新車価格から何パーセントオフ、という決められた公式の元で計算されたものでした。私が見るに、それほど安くはないな、と思うレベルでしたが、現場からは「本部の設定は高すぎる」「安売りの新車のほうが安い」などと隠れた小言があり、私はそれを如実に捉えていましたが、課長も課長で日々の仕事、細かな資料を一日一日求め続ける重役からの仕事にいつも振り回されており、現場の声を吸い取る余裕などなかったように感じられました。現実として、本部の設定価格で販売されるのは数日で、この価格で展示すると新車や他の中古車との折り合いが悪いという事に気が付き、少しずつ価格は下げられ、少し遅れて出される原価ベースで販売されるのが常でした。

ご検討の方への具体的なアドバイス

 ナンバー付きサンプルカーです、新車の試乗車です、と言ううたい文句に踊らされることなく、きちんと価格を見極めて下さい。まず、新車でその車がいくらで販売されているのか、いたのかをきちんと調べます。いろいろなディーラーオプションが付いている場合もありますので、きちんと確認します。中古車の営業、仮に私の場合は、車が沢山あったので、「これは新車でいくらすんの?」と聞かれても、一台一台に対して正確な価格を提示する事ができませんでした。(私のような営業ばかりではないと思いますが…) 重量税が廃止になる前であれば、重量税は会社が負担していますので、まるまるお得になります。そして、その車は、新車で買う際にいくら値引きしてくれるか、どの位が限界なのか、だったのかを調べてみて下さい。仮にその車がかなり突っ張った価格設定の場合、新車の方が安く買えるという状況も十分にあり得ます。正直、課長が私の横で計算していた価格はそうでした。営業の言う事を信頼してしまいがちですが、今は車種名や型式で新車の価格は簡単に調べる事ができますので、自分できちんと調べて、納得した上で、検討されることをおススメします。ただ、重要な事として、中古車は新車と違って、一台一台実物での商売です。次に見に来た時には、その車は既に販売されてしまってないかもしれません。新車と違い、そうなるともう、前の状態へリカバリはできません。ネット社会ですから、更にその可能性は高まります。一つ、私が忘れもしない経験をお話します。当時、某ディーラーと共同経営の展示場にいたことがあったのですが、そこにAE86のGTVのサンプルカーがありました。既に9#へのモデルチェンジがされており、おそらくこの86はかなり貴重だったと思います。某ディーラーはそこを見越して、かなり強気の価格設定にしていました。「それを見たお客さん」がいたのですが、「高いな」ということで結論持ち越しのままお帰りになりました。その後すぐに店頭で売れてしまい、数日後に「それを見たお客さん」が再度ご来店するも既に売約済みで、涙を流されて悲しがっていたのを思い出します。86でしたから、私もとても可愛そうに思ったのを覚えています。同じようにならないよう、ある程度気に入ったらご購入されるのも、中古車の買い方の一つの方法かもしれませんので、元営業が経験からご提案させていただきます。

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