コンサート会場への自家用車送迎に思うこと
私の住む宮城県に、昨年ジャニーズの嵐が来て、コンサートをしてくれました。何しろ初めてだらけのことでしたので、主催者側の段取りもいろいろと大変だったようです。中でも特に言われていたことは、シャトルバスのスムーズな運行でした。具体的には、自家用車での送迎はご遠慮下さい、ということが強く言われていました。宮城県の中心都市といえば仙台市ですが、このコンサートが行われる「ひとめぼれスタジアム」は、仙台都市部からは離れている利府町という所にあります。仙台の駅前から車に乗って駐車場に到着するまでには、約40分程度かかります。コンサート会場の近くには駅がなく、バス停はあるにはあれど一日数本、一時間弱歩いて利府駅から歩くか、シャトルバスを利用するか、コンサート時限定で有料となる自家用車駐車場に自家用車で行くか、渋滞になればいくらになるかわからないタクシーで来るか、世界で有数のアクセスの悪いスタジアムとして有名です。こちらのサイトで、旧名称グランディー21、現名称ひとめぼれスタジアム宮城へのアクセスを解説してくれています。とても丁寧に解説して下さっていますので、参考になさって下さい⇒ グランディ21 / ひとめぼれスタジアム宮城への交通アクセス情報
5万人は想定外か?駐車場はあるけれど
嵐のコンサートは、一日で5万人を動員します。仙台市内、宮城県内、東北各地のビジネスホテル、ホテル、温泉などの宿泊施設の予約が一瞬で満室になる破壊力を持っています。例えば同じ5万人収容でも東京ドームなら、JR水道橋駅や、東京メトロ大江戸線、東京メトロ南北線、東京メトロ丸の内線、都営地下鉄三田線などからアクセスができます。東京都下調布市、R20甲州街道沿いにある味の素スタジアムでも、京王が臨時に飛田給に電車を停車させてくれることで、殆どストレスなくアクセスすることができます。これらと同じようにするためには、一時間に一本のバスでは無理です。必然的にシャトルバスの増便ということになります。会場周囲には、フリーマーケットなども時々開催される広大な駐車場がありますので、車の収容自体には問題はありません。ですが、周囲の道路は都会とは違って片道一車線で抜け道もなく、それこそ住宅地の中を抜けていくような道路ですから、ここを上手にシャトルバスを走らせなければなりません。
都市部と地方都市の大きな違い
都市部は電車が発達していますので、例えば夜中の12時に新宿から電車に乗ったとしても、多摩都市部の家に電車で帰ることができます。ところが地方都市では、人口自体が少ないので、交通の中心は自家用車となっています。銀行や郵便局、医者や図書館、コンビニに至るまで、全て車で行く生活が出来上がっています。孫が「グランディー(ひとめぼれスタジアム宮城)でコンサートがあるから行くんだ!」といえば、同居のおじいちゃんはここぞとばかり、送迎せずにはいられないのです。でも、ちょっと待ってください。今回のケースは、スーパーに買い物に行くのとは違うのです。高校に行くのに駅まで送ってあげるのとは根本的に違うのです。その送迎はちょっと待って下さい。コンサート会場の周囲は、片側一車線のとても狭い道路です。いくら乗用車といえども、送迎のために車が止まってしまうと、バスはすれ違いできなくなり、運行に支障を来たします。「私一台くらい」という思いが誰にでもあるかもしれません。ですが、数千人から数万人が集まるようなコンサート会場の場合は、例え一台の乗り降りにかかる時間が数十秒だとしても、その数が膨大です。どうしても送迎をしなければならない場合は、主催者側の指示に従うようにして下さい。
実際に経験してみて
嵐のコンサートはサッカーの国際試合も行うことができる「ひとめぼれスタジアム宮城」でしたが、この隣に、「セキスイハイムスーパーアリーナ」という少し小さめの会場があります。つい先日、ここで行われたコンサートに行ってきました。私は自家用車を専用駐車場に停め、会場入り口まで歩いて向かいましたが、何台か自家用車で入口に横付けするような形で送迎をしている車がありました。当然停めるスペースはありませんので、ハザードランプを点灯して道路からの降車となり、後ろは渋滞、送迎のシャトルバスの流れに支障を来たしていました。警備員はいるものの、止まった車が再び動き出すはずはなく、あまりよくない光景だと私は思いました。先日地元テレビの投稿で、「入口よりかなり離れて車を停める夫に怒る妻」というような内容のものがありましたが、この辺りの考え方や感じ方は人それぞれだと思います。絶対的な決まりはありませんが、私は原則的に、「周囲に嫌な思いをさせてはいけないな」ということを考えながら行動するようにしています。